抄録
西村•柴野によって発見された雄性不稔個体MSの遺伝様式について検討するため, 3回の連続戻し交雑と花粉親7品種との交雑を行った. さらに, 雄性不稔に関与する遺伝子を推定するため, 花粉稔性と種子稔性を調べ, 両者の分離比を検定した.
その結果, 3回の連続戻し交雑により得られた個体が花粉稔性と種子稔性においてすべて不稔を示したことから, 雄性不稔個体MSは細胞質雄性不稔であること, 戻し交雑の花粉親として用いられた‘加賀’は雄性不稔維持系統であることが明らかにされた. この細胞質雄性不稔 (B2) と花粉親7品種との交雑結果から, 花粉稔性と種子稔性の不稔: 可稔の分離比は1:3, 0:1, 1:1及び1:0が得られた. このことから, 細胞質雄性不稔は細胞質と核内遺伝子の相互作用によって支配され, 細胞質雄性不稔と雄性不稔維持系統の遺伝子型は, それぞれ2因子によって支配されるSms1ms1ms2ms2及びNms1ms1ms2ms2と推測された. この細胞質性不稔性は, ネギの一代雑種育成に利用でぎよう.