抄録
カーネーション小植物体の外植片を準備ステージ (増殖ステージ直後から順化ステージ直前まで) 期間中組織培養した. 組織培養には. 成型プラスティックで閉栓した試験管を用い, 通常の炭酸ガス濃度, 光量子束に比較して, 高炭酸ガス濃度 (培養室内1000~1500vpm),強光 (光合成有効光量子束150μmol m-2s-1) 下で培養した. 培地中のショ糖濃度が小植物体の生長に与える影響も, 上記条件下で, 検討した.
小植物体の生長は炭酸ガス施用と強光によりかなり促進された. 培養中における小植物体の乾物重と生体重の増加は培地ショ糖濃度1%の炭酸ガス施用区が最大で,次いで, 炭酸ガス施用区の培地ショ糖濃度0%, 2%区, 炭酸ガス無施用区の培地ショ糖濃度2%, 1%, 0%の順となった. 小植物体は強光の炭酸ガス施用下では独立栄養的に生長した.
小植物体の純光合成速度と呼吸速度, および培地の全糖と栄養塩類の減少量の算定結果にもとづいて, 各処理区における小植物体の乾物重の相違を考察した.
組織培養苗の大量生産システムを開発するに際しての, 実験結果の意味を考察した.