園芸学会雑誌
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カキ茎頂の in vitro のサイトカイニン反応性とその季節的変化
福井 博一西元 和男村瀬 一生中村 三夫
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1990 年 59 巻 2 号 p. 271-274

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抄録

1987年2月から1988年1月にかけて茎頂組織を採取して, そのゼアチンに対する反応性を検討し, 最適な茎頂培養開始時期を明らかにすると共に, 樹体の生理状態との関連についても考察した. ゼアチン無添加区ではいずれの時期においても培養した茎頂は生長しなかった. ゼアチン10-5M添加区の茎頂の生長は他の濃度に比べ著しく高く, 特に5月30日, 6月22日にはシュートの伸長, 葉数の増加が著しかった. しかし, 7月24日には茎頂の生長が急激に衰え, 10月まで次第に低下したが, その後再び生長が見られるようになった. この茎頂組織の生長の変化は自発休眠と密接に関係することが推察された. カルス形成は培養時期によって大きく変動したが, 年間を通じて10-5M添加区で形成率が高く, 特に5, 6月の茎頂でのカルス形成は著しかった.
以上のことから, 6月に採取した茎頂はシュートの伸長, 葉の分化が旺盛で, この時期が茎頂培養を行う最もよい時期と判断できた.

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