園芸学会雑誌
Online ISSN : 1880-358X
Print ISSN : 0013-7626
ISSN-L : 0013-7626
自家不和合性ニホンナシの花柱タンパク質に関する血清学的研究
平塚 伸
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 59 巻 2 号 p. 313-317

詳細
抄録

ニホンナシの自家不和合性に関与するタンパクを検出することを目的として, 血清学的手法を用いて‘長十郎’花柱のタンパク質を調査した. 成熟花柱のタンパク質をウサギに注射した結果, 少なくとも5種類のタンパクが抗原となり, そのうちの2種類は花器諸組織の中で独特の分布を示した. ひとつは花柱に特異的な抗原であり, もうひとつは花柱の成熟に伴って生成される抗原であった. しかし, 後者は数種の抗原が混在している可能性も考えられた. 花柱の成熟に伴って生成される抗原は, 自家不和合性との関係で注目される.

著者関連情報
© 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top