園芸学会雑誌
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台木の異なるモモ‘山陽水蜜’樹における13C光合成産物の転流と分配
久保田 尚浩河野 章島村 和夫
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1990 年 59 巻 2 号 p. 319-324

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抄録

モモ果実の肥大や品質が台木によって異なる点を光合成産物の転流, 分配の面から明らかにするために, 共台及びユスラウメ台木の‘山陽水蜜’を供試して硬核期と成熟期に13CO2を取り込ませ, その移行•分布を調査した. 硬核期処理では13Cの果実への転流量が明らかに共台樹よりもユスラウメ台樹で多く, 処理120時間後における果実への13C移行量は後者が前者の約2倍であった. 一方, 成熟期処理では台木による顕著な差は認められなかった. その原因としてユスラウメ台樹では処理時期が遅すぎたためと思われた. なお, 両時期ともユスラウメ台樹では細根への13Cの分配率が共台樹よりも高かった.

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