抄録
カランコエ•プロスフェルディアナ (、陥伽o勿θろ10s5•カ♂漉伽αPoelln. :以下カランコエとする) はマダガスカル島産の原種が改良された園芸種である. 育種により, 花色や草姿が豊富となり, 爆性種は鉢物として,高性種は切花として利用されている (1).
カランコエは, 質的な短日植物であり, 限界日長以下の短日になると, 茎頂部に岐散花序を形成する. その花序は, 岐散型分岐 (第1図) を数回続けた後, 分化した小花原基のアボーションにより発達を停止する.切花用品種においては, 花序のボリュームが品質上問題となるが, 花序のボリュームは小花数によって決まり, その小花数は小花のアボーションが起こり始める分岐次数によって決まる. 花序の品質は切花単価に大きく反映することから, どのような要因によって, どのような条件下で小花のアボーションが起こるのかを明らかにしておくことは, 実際栽培のために重要である. なお, ここで分岐次数というのは, ある小花の着生する分岐点が, 花序軸の何回目の分岐によるかを意味する. 以下, 単に次数とも表現する.筆者ら (5) は, 品質のよい花 (花序) を生産するための基礎資料を得る目的で各種花卉の花序の発達を調べている. 積極的な人為処理により花序の発達を制御するためには, その花序のもつ発達の規則性と可変性を明らかにしておく必要がある. 規則性を明らかにすることは, 同じタイプの花序の発達を帰納的に一般論として論じる場合に役立つ. また, 可変性は, どの程度まで人為的な制御が可能かを知るうえで重要である. 花序発達が環境に対して可変性をもてば, その人為的な制御も可能であると思われる. 本報では, 以上のような観点から, カランコエ花序の発達の規則性と可変性について調査し, 花序の品質にかかわる小花のアボーションについて考察した.