抄録
スイートコーン'ハニーバンタム36'の雌穂先端部の穎果に発育不良粒が発生する原因を解明するため,花粉の飛散期間とその受精能力, 雌穂先端部における穎花の絹糸抽出時期と受粉•受精時期およびそれら穎花の受精と登熟能力を検討した.
1.雌穂小花からの花粉の飛散は雌穂からの絹糸抽出2日前から抽出6日後までで, 花粉の発芽率は絹糸抽出6日後には著しく低下した.
2.絹糸抽出は雌穂の基部から先端部位の穎花に向かって進んだ. 雌穂先端部の穎花 (雌穂基部から数えて30粒目から40粒目) の絹糸抽出は絹糸抽出開始4日後から6日後の間で, 受粉•受精は絹糸抽出6日後から8日後の問であった.
3.絹糸抽出6日後および10日後まで被袋し, その後に自然受粉とした区では, 雌穂先端部のほとんどの穎果が不受精粒であったが, 人工受粉した区では先端部の穎花に発育粒が認められた. このことから, 雌穂先端部の穎花は絹糸抽出10日後でも受精能力および登熟能力をもっていることが明らかとなった.
4.絹糸抽出6日後まで自然受粉し, その後に追加受粉 (人工受粉) を行った場合, 雌穂先端部に着生した発育不良粒のすべてが登熟不良粒であった.
以上のことから, 雌穂先端部における不受精粒の発生は穎花が受精するのに必要な受精能力をもった花粉が十分に受粉されないことによるものであり, 登熟不良粒の発生は穎果に供給される同化産物量の不足が関係していると考えられた.