園芸学会雑誌
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メロン果実組織への糖吸収の生長に伴う変動と ABA と IAA による促進
/ 金山 喜則山木 昭平Shohei Yamaki
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1998 年 67 巻 2 号 p. 170-175

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抄録
メロン果実(Cucumis melo L.'プリンス')への糖の吸収機構を明らかにするために, 果肉組織への糖の透過特性の生長に伴う変動およびABAやIAAの透過機構に対する影響について検討した.糖透過のキネティックス解析では, 幼果(受粉後14日)と未熟果(28日目)からの組織へのグルコースとフルクトース, および幼果からの組織へのスクロースの吸収はbiphasic曲線となり担体輸送と単純拡散論送の存在を示した.それ故, 幼果においてはグルコース, フルクトース, スクロースに対して, 未熟果においてはグルコース, フルクトースに対して担体輸送が存在した, しかしながら成熟果(42日目)では担体輸送は検知できなかった.そして, 幼果および未熟果において, 担体輸送による吸収は低糖濃度でより効率的であった.この担体輸送のKm値は糖の種類および果実の生長段階にかかわらず6-14mMの範囲で大きな変化はなかった.ABA(10-5M)はグルコース, フルクトース, スクロースに対する単純拡散輸送を促進することによって, 果実組織への糖の吸収を促進した.一方, IAA (10-5M)は上記3糖に対する担体輸送と, グルコース, フルクトースに対する単純拡散輸送を促進することによって, 果肉組織への糖の吸収を促進した.糖の担体輸送および単純拡散輸送の生長に伴う変化, そしてそれらに対するABAやIAAの促進効果は, メロン果実の生長や肥大と密接な関係をもつものと思われる.
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