抄録
1. 紅玉の新梢は環状剥皮に依り腋花芽形成を促進せらるる傾向あるも, 年に依りて差あり, 又無剪定樹に對しては效果なし。
2. 君ケ袖其他腋花芽形成少き品種に對し, 環状剥皮は效果少し。
3. 6月より9月迄の間に於て, 環状剥皮の時期として比較的有效なるは6月下旬より7月下旬迄 (特に7月中旬有效) の間に在り。
4. 環状剥皮は著しく紅玉新梢の可溶無窒素物, 粗脂肪並に粗蛋白質を増加するものにして, 特に水溶成分に於て然りとす。然して該處理に依りC/N價は一般成分に在りては剥皮時期及び季節に依り異同あるも, 水溶成分に於ては概して著しく高まる。
5. 紅玉新梢の化學成分の季節的變化は環状剥皮を施したると否とに拘はらず, 概して一致の傾向を示す。
6. 從つて環状皮に依る花芽形成促進に對する化學的原因に單にC/N價のみに非ざるが如し。