園芸学会雑誌
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キクの茎頂培養における再生能に及ぼす試料採取時期および母植物の生育ステージの影響
佐々木 和也遠藤 元庸稲田 委久子
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2004 年 73 巻 1 号 p. 36-41

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抄録

キクの茎頂培養における試料の採取時期ならびに母植物の生育ステージが再生能および再生個体の生育特性に及ぼす影響について調査した.秋咲きの食用ギク'阿房宮'と'延命楽'の2品種を供試し,茎頂をNAA(1mg・liter-1)を添加した静岡農試修正培地で3か月培養した.茎頂培養には無摘心の母株から採集した頂芽および腋芽を用い,1991年4月から9月の間に,2週から3週間おきに培養した.茎頂培養の再生率は品種および試料の採取時期により異なった.摘心後に発生する第1次側枝の頂芽のみを茎頂培養に用いたところ,再生個体は両品種とも母植物が生育旺盛な栄養生長期にあった場合に効率的に得られた.また,生殖生長期の初期(総包形成期)には,茎頂は両品種とも再生能力を維持していることが観察された.再生個体の生育特性には品種および生長ステージで差異が認められた.

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