園芸学会雑誌
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外生エチレンおよびトMCP処理がカトレヤ類切り花のACC酸化酵素活性,エチレン生成および日待ちに及ぼす影響
山根 健治八巻 良和藤重 賞昭
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2004 年 73 巻 2 号 p. 128-133

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抄録

Lc.Irene Finney'York'切り花において,外生エチレン前処琢(O.1μ1・liter-1,24hr)は,収穫3日後の花弁のACC酸化酵素活性と小花のエチレン生成を高め,日待ちを7.5日から4.0日に短縮した.エチレン処理は花弁のACC音量および,AC(ゴ合成酵素活性には影響しなかった.トMCP前処理(0.25,0.5または1μ1・liter-1,4hr) は,Blc. Mem. Robert Hack'Villa Park'およびLc. Irene Finney'Rachel'切り花の日待ちを有意に延長した. 'Villa Park'切り花において,1μ1・liter<-1> 1-MCP前処理はACC酸化酵素活性およびエチレン生成を収穫2日後まで抑制して日待ちを約2倍に延長したが,エチレン生成は4日後以降著しく増加した.Lc. Sweet Meringue'Puriavera'において,1-MCPの3回までのくり返し処理と1回処理との日持ち間に有意差は認められなかった.5%スクロース処理は'Villa Park'と'Rachel'の日待ちを延長した.1-MCPとBAの組み合わせ処理による'Villa Park'の日持ち延長において相乗効果が認められた.1-MCP,スクロースおよびBAの組み合わせ処理は'Rachel'および'Villa Park'の日待ちの延長に最も効果的であった.これらの結果から,1-MCP単独処理またはスクロースやBAとの組み合わせ処理のカトレヤ類切り花の品質保持における有効性が示された.

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