抄録
多発性硬化症に対する短期および長期の高圧酸素療法の効果を検討した。3人の患者については1.9気圧で90分の条件で連日20回治療を行った。他の3人の患者については連日20回の治療後1.8気圧の条件で週に1〜4回実施し,1年間で合計それぞれ117回,158回と194回であった。どの治療においても100%酸素の吸入はマスクで10分間だけ行った。
短期治療の患者では全てに症状の改善がみられ,IgG産生量とOKT4+/OKT8+比の低下が2例で認められた。長期治療群については再発回数の減少を認め,臨床症状と障害度は不変であった。これらの結果は高圧酸素療法が多発性硬化症の慢性期の症状を改善させ,また再発防止に役立つことを示している。