2019 年 67 巻 5 号 p. 161-166
今日では積層複合材,主に炭素繊維強化複合材(CFRP ; Carbon Fiber Reinforced Plastics)が航空機構造へと適用されることが一般的となっている.CFRP構造は従来の金属材料と異なり強い異方性を持つ材料であり,構造材として用いる場合はその異方性構造を最適に設計する必要がある.しかしながらその設計空間は複雑であり,また,製造可能な繊維の配向角度は離散的な値となることが多いため,複合材の最適設計にはメタヒューリスティクスを用いる場合が多い.本報ではなぜ積層複合材構造に最適化が必要なのかをご理解いただくために複合材料の力学基礎について簡単に説明し,積層複合材テーパー構造の設計に最適化を適用した事例を紹介する.また,複合材の製造技術の進歩により実現可能となった曲線状複合材の最適設計についても述べる.