2003 年 16 巻 4 号 p. 408-419
1998年の観測後に改修された2001年航空機搭載型分光走査放射計 (AMSS) の観測データについて, 各種地表面に対応するスペクトラム, 3波長 (可視1近赤外2) による植生·積雪指標の代表値を求めた. また検証のための詳細な植生密度観測を行い, 指標や積雪のある森林におけるアルベドと植生密度との関係を求めた. さらに, 2高度における観測の比較から大気補正の問題と指標に与える影響について, 放射伝達モデルの理論値と比較して考察した.
高度3960m (13200ft) での観測では490nmよりも短波長側ではレイリー散乱による影響が無視できないが, 植生·積雪指標に用いる可視 (625nm) , 近赤外1 (865nm) では大気の影響は少なく, 近赤外2 (165nm) も水蒸気により若干減衰するが指標への影響は少ない. さらに, 2高度について近紫外 (380nm) , 可視 (625nm) , 近赤外1 (865nm) , 近赤外2 (165nm) のセンサのViewing Angle依存性を調べたところ, 1000nmより短い波長帯ではViewing Angle依存性は1998年のデータの半分程度になった. これはセンサの瞬時視野角 (IFOV) を2.5mradから5mradに大きくしたためと考えられる.