2005 年 18 巻 2 号 p. 156-166
土壌や植生が不均一な圃場における水分移動現象を明らかにする基礎として,土壌の水理特性と乾燥密度との関係を調べ,モデル化を行った.室内実験により,再充填した土壌カラムを用いて乾燥密度と水分特性曲線および不飽和透水係数の関係を測定した. その結果,乾燥密度ごとに適切なパラメータを与えることで,土壌水分特性はvan Genuchten モデル,不飽和透水係数はMualem モデルにより良好に表現された.また,得られた各パラメータは,乾燥密度を説明変数とする相関係数0.91-0.99の回帰式で表すことができた.この結果,土壌の水理特性と乾燥密度の関係は,修正したvan Genuchten モデルとMualem モデルによって表すことが可能となった.