2007 年 20 巻 1 号 p. 47-54
本研究は,社会的環境的変化のモデル化によって,地球全体において増加する水資源枯渇問題を取り扱ったものである.主として2種類の目的があり,その一つは,水と人間行動間のフィードバック構造を考慮し有限な水資源の有効利用を明らかにするとともに,それによる水利用社会の発展を予想することである.第二は,世界の発展に向けての役割と影響を明らかにし,持続可能なシナリオや政策を提案することである.大陸における水問題の探求には,システムダイナミックスの利用が有効である.このモデルを利用することにより,水不足が主原因となり,開発に制限がある大陸・地域を分析することができる.