2014 年 27 巻 3 号 p. 116-124
非線形性の強い降雨流出特性である流域の洪水緩和機能を比較し評価する方法として,豪雨に対する雨量-流出高の観測データを流出モデルで表現しモデル上で流域に雨量ΔR(mm)の仮想瞬間降雨を与えて初期定常流量Q0からのピーク流出高の増分ΔQmax (mm/h)を求めて得られるΔRとΔQmaxとの比τR(= ΔR/ΔQmax)をピーク流量緩和時間 と定義して洪水緩和機能の比較指標に用いることを提案し,日本の河川流域の洪水流出タンクモデルから求めたτ50とτ100の値の例を示した.