抄録
中国の30地点について日射量と有効大気放射量の月平均値を算定した.日本の66地点における値も参考にして,放射量の地理的分布図を作成した.日射量と有効大気放射量は中国の乾燥域と標高の高いチベット高原では多いが,中国の湿潤域と日本では少ない.さらに, 4種類の土壌の裸地面について正味放射量を計算した.砂地では蒸発量が少なく地表面温度が高くなるので,正味放射量は小さい.保水性のよいローム土壌では蒸発が盛んで地表面温度が低く,正味放射量は大きい.ローム土壌における年平均正味放射量は砂地における値の約1.6倍である.