1997 年 10 巻 5 号 p. 416-425
陸面数値モデル(LSP)は大気数値モデルなどに組み込まれて地表面での水とエネルギーの交換を表現している.全球土壌水分プロジェクト(GSWP)において,いつかのLSPにより1987年および1988年の水収支が,共通の降水量や放射強度に対して算定された.ここでは,全球1度グリッドメッシュで作成された河川流路網情報(TRIP)を利用し,河川流量データによってそれらLSPによる年水収支算定値を検証した.その結果,充分な降水観測(雨量計密度≧30個/l06km2)に基づいて入力降水量が算定されている領域ではLSPは適切に年流出高を算定していることがわかった.