裸地圃場で観測した日平均の可能蒸発量(Ep)と実蒸発量(Ea)をいくつかの方法で推定し,推定精度を比較した.比較したEpの推定方法は,熱収支法,Makkink法,平衡蒸発法(強風下の平衡蒸発量に経験定数を乗ずる方法),Penman法およびPriestley-Taylor法である.これらの中では,Makkink法の推定精度が最も良かった.比較した.Eaの推定方法は,[熱収支法,Makkink法または平衡蒸発法]によるEpの推定値に蒸発比を乗ずる方法および土壌抵抗を用いた熱収支法である.蒸発比と土壌抵抗は,午前9時の表層2cmの体積含水率の関数として表した.これらの中では,土壌抵抗を用いた熱収支法の推定精度が最も良く,次にMakkink法によるEpの推定値に蒸発比を乗ずる方法の推定精度が良かった.