抄録
コジイ林からの潜熱輸送量を評価するため渦相関法を用いたところ,斜面(傾斜角18゜)に位置する林分にも適用できることがわかった.また,群落抵抗としてCalder(1977)の季節変化を用いたPenman-Monteith式で蒸発散量の季節変化を推定したところ,年間の蒸散量及び遮断蒸発量としてそれぞれ581.5mm, 316.7mmを得た.月遮断蒸発量については鈴木ら(1979)の平均蒸発強度を用いた方法と概ね一致したが,Penman-Monteith式では,冬季に潜熱輸送量がほとんどなくなる現象を再現できなかった.