近年,農業者の高齢化や農家戸数の減少が全国的に進行している。北海道も例外ではなく,作業効率の向上を目的として,地下水位制御が可能な大区画圃場の整備が進められている。こうした基盤整備を契機として,直播栽培面積の増加,田畑輪換の拡大など,営農形態が多様化しており,水需要の変化に対応した用水供給が必要になる。また,道内の水田地帯では,冷害防止を目的とした,寒冷地特有の圃場水管理が行われている。このような水管理は,水稲栽培において不可欠であり,今後もその水量を確保しなければならない。本報では,北海道における水田地帯の特徴,農業水利を取り巻く環境の変化および今後求められる農業水利の条件について述べる。