土地改良事業は,事業の妥当性を検証し有効性を確認すると定められ,費用対効果が分析されている。この分析では,公益的な効果を含め定量化可能なすべての経済効果が算定されている。この中には,国民の立場から見た食料供給に関する効果があるが,全国レベルに発現する効果とされている。ここでは,個別地区の算定として,地産地消促進効果をコンジョイント分析の手法で評価した。これは,近年の地産地消への関心の高まりに着目し,事業による農産物増産が,地域消費者の地場農産物の入手機会を増やし消費者満足度を向上させる効果である。分析の結果,消費者は農産物購入時に地場農産物を高く評価しており,事業の実施が地産地消促進効果を高めることがわかった。