2019 年 87 巻 4 号 p. 275-278,a1
北海道の人口は全国より速いペースで減少しており,札幌圏への人口集中も進むなか農山漁村での地方創生の取組みが急務である。一方,北海道では広大な土地や気象条件などから,バイオマスや雪氷冷熱などの再生可能エネルギーが豊富に賦存している。本報ではこれら再生可能エネルギーの近年の導入動向を報告するとともに,地方創生につながる活動事例を紹介する。そのうえで地域資源である「食と再生可能エネルギー」をい活かした地方創生への取組みをさらに推進するために,新たなフードバリューチェーンの導入を提案する。また,2018年9月に発生した北海道胆振東部地震によるブラックアウト時に再生可能エネルギーが自立運転できなかった反省から停電など緊急時にも有効活用できるマイクログリッドの必要性についても報告する。