農業農村工学会誌
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農地集積の進展に伴う集落組織の変容と課題
矢挽 尚貴白川 正昭細野 達夫
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2019 年 87 巻 9 号 p. 721-724,a1

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抄録

新潟県上越市三和区では,1994年以降,区内のほぼ全域の農地が圃場整備事業の対象となり,事業を契機として農地集積が高度に進展した。このうち2地区を対象に,農地集積と集落組織の状況を調査した。その結果,今後さらに耕作者の減少が進行すると予想される。耕作地の団地化のために農地の利用権調整を行った集落では,地区外からの入作者がなく,住民と農業の密接な関係を保っており,集落組織の活動の維持が可能であると考えられる。一方,入作者が4割ほどの面積シェアを占めている地区では,地域住民の農業離れが進行しており,用水管理体制を維持できなくなる可能性が高い。このため,担い手を支援する集落組織の体制を再編・再構築することが急務であると考えられる。

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© 2019 公益社団法人 農業農村工学会
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