抄録
本研究の目的は,大学特許と影響要因の関係を定量的に評価することである.大学特許に関するデータ,大学の指標や活動に関するデータを,収集し分析した.その結果,特許出願件数/教員数,特許保有件数/教員数,特許実施件数/教員数,特許実施収入/教員数を,5個,4個,2個,3個の説明変数で説明する,重回帰式(重決定係数はそれぞれ76.9%,74.9%,44.1%,48.2%)が導き出された.説明変数の多くは産学連携活動を表す変数が占めたが,一部に学生の状況,研究活動,大学のタイプを表す変数も選択された.大学特許を増加させるためには,産学連携活動の促進が必要であるが,併せて研究活動の強化と大学院の充実も期待される.