2018 年 14 巻 2 号 p. 2_12-2_20
大日精化工業は,国立大学法人京都大学化学研究所と産学連携を進めており,その中で,2011年11月から2015年3月まで,科学技術振興機構の研究成果最適展開支援プログラム A-STEPを実施した.このA-STEPでは,同研究所の後藤淳准教授(現,南洋理工大准教授)が発明したリビングラジカル重合法である有機触媒型制御重合を,当社の材料開発の中核技術として確立し,世界市場で優位性と競争力のある色材製品を開発することを目的とし,研究を進めた.本稿では,A-STEPにいたった経緯,有機触媒型制御重合の概要,成果等についてまとめる.