廃棄物資源循環学会論文誌
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展望論文
化学物質のライフサイクル管理の側面からみた RoHS 指令の特徴とその影響
髙橋 一彰 平井 康宏酒井 伸一
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2020 年 31 巻 p. 25-37

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抄録
2002 年に欧州で制定された電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する RoHS 指令では,多種の化学物質がある中,廃棄段階でのリスクに着目しつつ,製造段階での取り組みを促すことで,より適切な管理を進める制度といえる。また,廃棄物処理に伴う環境負荷について,欧州域内のみならず,途上国等他国における処理に関しても負荷削減が期待される他,リサイクルによる有害化学物質の伝播を防ぐことにもつながる。
 日本の化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律では,化学物質のライフサイクルにおける環境中への排出を念頭に,化学物質の有害性や排出量に分解性を加味した量で優先順位を付けて評価を行い,その使用に関する規制を行っている。RoHS 指令のように処分の過程での環境・労働者への影響が懸念される物質も優先とすることで,より適切な管理を進めることが期待される。
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© 2020 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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