Journal of the Japanese Society for Horticultural Science
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原著論文
ナシ染色体の蛍光染色
山本 雅史高田 教臣平林 利郎久保 達也冨永 茂人
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2010 年 79 巻 1 号 p. 23-26

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抄録
ナシ 3 種[Pyrus pyrifolia (Burm. F.) Nakai(ニホンナシ),P. communis L.(セイヨウナシ),P. bretschneideri Rehder(チュウゴクナシ)]6 品種を用いて染色体の蛍光染色を行った.材料は自然交雑実生の根端を用い,採取後,直ちに 10℃,2 mM,8-ハイドロキシキノリンで 4 時間前処理した.染色体標本は酵素解離法により作成した.染色体数はいずれの品種も 34 本(2n = 34)であった.クロモマイシン A3(CMA)染色を行うと,4 本の染色体の端部に CMA + バンドが確認できた.核板によって,この CMA + が付随染色体として確認できるものもあった.4'-6-ディアミディノ-2-フェニルインドール二塩酸塩(DAPI)染色すると CMA + の部分の染色は不良で,DAPI − バンドとみなせた.残りの 30 本の染色体には CMA + および DAPI − バンドは認められなかった.ヨウ化プロピジウム(PI)染色では,バンドは確認できなかった.染色体の CMA + バンド領域の位置および数は安定しており,種・品種間差異は認められなかった.
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© 2010 園芸学会
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