抄録
【目的】
若年運動選手において適切な栄養摂取は、競技力向上のためだけでなく、健康な発育・発達に重要である。本研究では、高校野球選手を対象として、夏季を中心に栄養状態の調査・解析を行って問題点を抽出し、改善のための継続的な栄養教育・指導を行い効果を調べた。
【方法】
高校硬式野球部に所属する男子生徒14人を対象に、介入前後に、食事調査(食物摂取頻度調査FFQg)、身体計測(身長、体重、上腕・下腿周囲長)、血液検査(血液学・生化学検査)を実施した。介入前は2011年7月に、介入後は1年間にわたり3回調査・測定を実施し、結果に基づいて栄養学的介入を行った。介入では、BMIを指標として目標とする体重を設定したり、夏季には食物摂取を減少させないように媒体作成するなどして、具体的な栄養指導を行った。
【結果】
選手のエネルギー・栄養素摂取量は介入により有意に増加し、体重やBMI、上腕周囲長など体格も有意に向上した。この介入効果は夏季にも現れ、食物摂取の減少は抑制され体格は維持された。選手の93%はRBC、HGB、HCTなどの血液検査値は良好であったが、血清フェリチン(FRN)は低値であった。介入により約半数が改善したが、FRN異常低値の場合、効果は見られなかった。
【結論】
高校野球選手への継続的な栄養介入は、夏季の栄養状態を改善し、体格を向上させるだけでなく、貧血の予防にも繋がることが期待された。