日本看護研究学会雑誌
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圧力の相違がヒトの踵における皮膚組織と深部組織へ及ぼす影響
真田 弘美須釜 淳子稲垣 美智子伴 真由美永川 宅和
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1997 年 20 巻 2 号 p. 2_27-2_37

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抄録
 圧力を加えた場合による踵部の皮膚組織と深部組織の血行動態の変化を比較した。対象は,20~21歳の健康な女子9名の右踵部とした。方法は,皮膚組織では皮膚温,皮膚血流,皮膚血流量を,深部組織では酸化ヘモグロビン,還元ヘモグロビン,トータルヘモグロビンを測定した。圧力は30mmHg,90mmHg,180mmHg,270mmHgを踵部に加え,加圧前,加圧中,加圧除去後において各30分ずつ腹臥位で経時的に観察した。その結果,皮膚組織は270mmHgの圧では血液の貯留が認められ,皮膚組織に侵襲を起こしていることが示唆された。深部組織は,圧力が強くなるほど充血反応が強まるが一時的であり,回復する傾向が示唆された。このことより,270mmHgという高圧では,皮膚組織は深部組織より負荷が大きくなることが示唆された。
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© 1997 一般社団法人 日本看護研究学会
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