日本看護研究学会雑誌
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骨粗鬆症患者のQOL
-症状と心理的側面との関連-
吉村 弥須子白田 久美子前田 勇子安森 由美東 ますみ
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2001 年 24 巻 5 号 p. 5_23-5_32

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抄録
 本研究の目的は骨粗鬆症の症状である腰痛,身長短縮,円背,下肢しびれの有無および歩行距離の減少が患者の心理的側面にどのような影響をおよぼすか明らかにすることである。 対象は骨粗鬆症専門外来に通院中の骨粗鬆症患者376名で,自記式質問紙票を用い調査を行った。 心理的側面の評価には,Zung の自己評価式抑うつ尺度 (SDS),古谷野らの人生満足度尺度 K (LSIK),大和らの自尊感情尺度 (SES) の3尺度を用いた。 各症状の出現頻度は,腰痛64.4%,身長短縮79.3%,円背50%,下肢しびれ24%,歩行距離が900m以下の患者は41.8%であった。 結論1. 骨粗鬆症により腰痛,身長短縮,円背,下肢しびれなどの症状が出現している患者や歩行距離の減少している患者は抑うつ状態になり,人生満足度が低下する傾向がある。 2. 身長短縮や円背など外観の変化のある患者,歩行距離の減少している患者は自尊感情が低下する傾向がある。
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© 2001 一般社団法人 日本看護研究学会
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