抄録
本研究の目的は,クローン病者の食生活体験のプロセスを明らかにすることである。グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて,半構造化面接を行い,継続比較分析を行った。研究参加者は,緩解期にあり,在宅で生活している成人クローン病者17名である。
その結果,クローン病者の食生活体験として,《体験学習による食生活の再構築》プロセスが明らかになり,これは【食事栄養療法への反応】,【再燃を起とした学習サイクル】,【自分に合った食事制限法の獲得】という3つの段階から構成された。この結果から,看護師は,プロセス上の時期とその時々の病者にとっての食事制限の意味に見合った援助を行う必要があることが示唆された。