抄録
【目的】本研究の目的は,糖尿病腎症から透析となった患者における,障害受容の要因とその構造を明らかにすることである。
【方法】原疾患が糖尿病腎症の外来通院中の慢性維持血液透析患者212名に対して,障害受容度診断検査を使用し,調査を実施した.分析方法は,障害受容度診断検査の結果を使い,探索的因子分析で因子を抽出し,確認的因子分析にて構造を確認した。
【結果】有効回答数は150名(回答率70.7%)であり,男性105名,女性45名で平均年齢は63.41±9.56歳であった。探索的因子分析では,「障害と対峙できないことによる気持ちと行動」「障害があることでの負い目」「自尊心の低下」「他者との関係における行動」の4因子が抽出された.確認的因子分析では3因子構造となった。
【結論】対象者の障害受容の因子は4因子であり,構造では3因子構造となった。