日本看護研究学会雑誌
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早期退職した病院勤務の新卒看護師の入職から退職後までの心理的プロセス
山田 貴子藤内 美保
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2015 年 38 巻 5 号 p. 5_41-5_51

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抄録

目的:早期退職した病院勤務の新卒看護師の入職から退職後までの心理的プロセスを明らかにすることである。
方法:新卒看護師として就職した病院を入職後1年以内に退職した者10名に半構成的面接を実施し,分析方法はM-GTAを用いた。
結果:35概念と12カテゴリーが抽出された。早期退職した新卒看護師は看護師としてできない【自己への失望】と【仕事のミスをした自己価値の ゆらぎ】により【看護師としての自己のあり方を自問】していた。この時期の新卒看護師は【心身のバランスの崩壊】状態にあり【退職決断の引き金】が【退職の決断】を強くした。退職後は【当時の自己を客観視】と【自己の成長】がみられた。
結論:早期退職した新卒看護師は自己の能力と職場で求められる能力の差に悩み,看護師としての自己評価の低さが心理状態に強く影響していた。心身ともに追い詰められたことで職場から逃れたい気持ちが強くなり退職に至った。

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© 2015 一般社団法人 日本看護研究学会
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