1984 年 7 巻 1 号 p. 1_70-1_74
手術に対する不安を軽減させることが,術前看護では重要視される。そこで,不安緩和の一援助として,術前患者に手術経験者を面接させ,不安軽減の効果を検討した。その結果,次のような結論をえた。
1. 術前患者が同じ手術の経験者との面接を通して会話することは,不安テストの上で明確にされるほどの効果はなかったが,不安が緩和されたと自己評価した患者が約50%に見られた。
2. 手術経験者との面接は,不安特に状態不安の高い症例で効果的であったと言えた。
3. 不安緩和の為には,最低30分以上の面接が必要で,良い対人関係を成立させることが必要と考えられた。