日本看護研究学会雑誌
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在宅認知症者の介護者がうつ状態に至る要因における性差
齋藤 嘉宏鳩野 洋子
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論文ID: 20181003037

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抄録
目的:本研究ではPearlinの「認知症介護ストレスモデル」に基づいた概念モデルを作成し,在宅認知症者の介護者がうつ状態に至る要因を明らかにすることを目的とした。
方法・結果:質問紙調査を行い,男性103名,女性124名を分析対象とした。介護者の64.8%にうつ状態がみられたが,性差はみられなかった。介護負担感,自己効力感,自尊感情の得点も性差はなかった。介護者の背景要因の因子分析を行い,抽出した因子をモデルに投入して性差による多母集団同時分析を実施し,良好な適合度を得た。介護者は,背景要因が最もうつ状態に影響していた。男性介護者は,介護負担感,自己効力感のパス係数が女性と比較して大きかったが,女性介護者は自尊感情が大きかった。
結論:介護者の背景要因に加え,男性介護者では自己効力感,女性では自尊感情の維持に働きかけることが,うつ状態の予防において重要な要因となることが考えられた。
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© 2019 一般社団法人 日本看護研究学会
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