日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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症例報告
膝関節症状と粟粒陰影の肺病変を呈したサルコイドーシスの1例
石川 理惠生島 壮一郎増永 愛子折津 愈武村 民子江石 義信
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2009 年 29 巻 1 号 p. 21-27

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抄録

 症例は31歳男性.2004年12月 両膝関節痛を主訴に他院整形外科を受診された.MRIでは滑膜の肥厚と腫瘤影を認めていたが,原因不明のため全身検索を行ったところ,胸部CTにて全肺野びまん性に微細な小結節影を認め,粟粒結核が疑われた.2005年7月 胸腔鏡下肺生検にてサルコイドーシスと考えられた.膝関節痛が持続していたため,プレドニゾロン30 mgの内服治療を開始するも症状改善を認めなかった.2006年6月左膝関節の滑膜生検も行い,サルコイドーシスと診断された.同年7月 当院紹介受診,肺および滑膜生検の病理標本でPAB抗体染色を行ったところいずれも陽性であり,塩酸ミノサイクリン 200 mgの内服を開始したところ,自覚症状および炎症反応の改善を認めた.また,この経過中にMMP-3の漸減を認め,サルコイドーシスに伴う関節炎においても病勢を反映する有用なマーカーのひとつであると考えられた.

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© 2009 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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