日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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症例報告
不明熱で発症した急性筋炎型サルコイドーシスの1例
川井 孝子加藤 清
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2009 年 29 巻 1 号 p. 29-33

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抄録
 34歳女性.2006年6月初旬より咽頭痛,38-39 ℃の発熱出現.近医より経口抗生物質を処方されるも解熱せず.7月8日から両下腿の筋肉痛が出現,7月中旬から筋肉痛は四肢に拡がり7月24日精査加療目的で紹介入院となる.入院時検査で白血球増多とCRPの上昇を認めたがCPKは正常値であった.胸部X線写真は異常なし.下腿筋のMRI検査でT2強調画像にびまん性の濃度上昇を認めた.筋生検を行ったところ血管壁の肥厚および血管周囲に細胞浸潤と類上皮細胞肉芽腫形成を認めた.前部ぶどう膜炎もありサルコイドーシスと診断した.プレドニゾロン60 mgで治療を開始したところ数日で解熱し,筋肉痛は消失した.ステロイド剤を漸減し退院,以後再燃を認めていない.急性の経過で発症する筋サルコイドーシスはまれであり,今後も長期に経過を観察する必要があると考える.
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© 2009 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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