抄録
サルコイドーシスの国際的な診断基準は確立されておらず,2006 年に眼サルコイドーシスの国際基準案(東京基準)が提唱されたが,この診断基準の妥当性の評価はあまり行われていない.今回,我が国10 大学で組織診断された眼サルコイドーシス287 症例を対象とし,後ろ向きに東京基準について検討した.東京基準の眼所見の項目は視神経乳頭肉芽腫/ 脈絡膜肉芽腫を除いては半数以上で陽性であり,約85 %が3項目以上を満たしていた.全身所見の項目については,両側肺門リンパ節腫脹を認めた症例が70 %以上を占めていた.肝酵素の上昇は2%に認められたにすぎなかった.全例で生検未施行と仮定した場合,Presumed Ocular Sarcoidosisの基準を満たす症例は71%であったのに対し,Probable Ocular Sarcoidosisは5%であり,再考を要すると思われた.東京基準案は一部の項目を除いてはおおむね臨床を反映していると考えられるが,国際基準としての妥当性の評価のためには,前向きで国際的な今後の検討を要する.