日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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眼サルコイドーシス国際診断基準
国際眼科診断基準 −呼吸器内科の立場から−眼病変を有する組織診断群375例の検討
四十坊 典晴
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2012 年 32 巻 1 号 p. 78-81

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抄録

眼病変を有し,組織学的に類上皮細胞肉芽腫を証明したサルコイドーシス375 例(病期0,137 例;病期1,174例;病期2,53 例;病期3,11 例)において各種検査所見(血清ACE,血清リゾチーム,血清免疫グロブリンG(IgG),ツベルクリン反応(ツ反),気管支肺胞洗浄(BAL),ガリウムシンチグラフィー)を診断時に行い,異常の陽性率を解析した.BALはリンパ球比率とCD4/CD8 比の少なくとも1つが異常な場合を陽性とした.全体では国際基準の項目であるACEが49.3 %,リゾチームが50.9 %,ツ反が72.8 %で陽性であった.ACEかリゾチームどちらか陽性は64.4 %であった.IgGは14.4 %,BAL所見は非喫煙者で86.6 %,喫煙者で83.7 %,ガリウムシンチグラフィーは81.3%で陽性であった.検査が陽性を1点としてスコア化すると平均が病期0は2.44,病期1は3.72,病期2は4.09 ,病期3は3.27 であった.国際基準の検査項目であるツ反とACEまたはリゾチームに関しては2項目陽性の頻度は病期0は31.4 %,病期1は65.5 %,病期2は67.9 %,病期3は54.5 %であり,眼病変からサルコイドーシスが疑われた場合,BHLを有する症例はサルコイドーシスに特徴的な所見を有することが明らかになった.

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© 2012 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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