日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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症例報告
過敏性肺炎と肺サルコイドーシスの合併が疑われた3例
古澤 春彦宮崎 泰成土屋 公威稲瀬 直彦
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2013 年 33 巻 1 号 p. 127-132

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抄録

過敏性肺炎とサルコイドーシスは肉芽腫形成など類似した病態をもち,ときに鑑別が困難となるが合併例の報告は少ない.今回,われわれは過敏性肺炎とサルコイドーシスの合併が疑われた3例を経験した.全例で鳥飼育歴があり,入院による抗原回避のみで軽快した.2例はハト糞抽出物(PDE)による吸入誘発試験陽性であった.1例は急性増悪のリスクを考え吸入誘発試験は施行しなかったが抗PDE抗体とハト血漿リンパ球刺激試験が陽性であり,いずれも鳥関連過敏性肺炎と診断した. 一方,両側肺門リンパ節腫大を認め3例ともサルコイドーシスの臨床診断基準を満たした.過敏性肺炎とサルコイドーシスは,頻度は高くないものの合併の可能性を考慮すべきと思われたため報告する.

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© 2013 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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