抄録
サルコイドーシスの閉塞性換気障害について検討した.2000年1月から2012年8月の間に当科で診断したサルコイドーシス症例でFEV1/FVCが70%未満の症例を後ろ向きに検討した.スパイロメトリーが施行された75例のうち,初診時あるいは経過中にFEV1/FVCが70%未満の症例が20例(27%)あった.気管支拡張薬の吸入によって有意な可逆性を示した症例はなかったが,FEV1/FVCが70%未満の症例に小児喘息の既往のある症例が有意に多かった.ACEを含めて各種臨床パラメーターや気管支鏡の肉眼所見と閉塞性換気障害との間に有意な関連はなかった.一方FVC が予測値の80%未満の拘束性換気障害を呈する症例は6例のみであり,閉塞性換気障害を示す症例が多かった.閉塞性換気障害はサルコイドーシスにおいて稀ならず遭遇する.気流閉塞は予後との関連が報告されており,見逃さないように留意すべき病態である.