抄録
診断基準が2006年に改訂され,診断に2臓器以上の病変の存在が必須となったことにより,サルコイドーシス診断の臨床像に変化がみられていると考えられている.そこで今回われわれは2000–2011年での当科新規診断症例から,診断前に副腎皮質ステロイドホルモン薬(ステロイド)未治療である162例を対象に診断基準改訂前後の2群に分け,その臨床像を比較した.結果は診断基準改訂後に心臓,神経等の重篤な罹患臓器の割合が増加していた.これは診断基準変更により,より積極的に全身検索が行われるようになったことおよび近年の画像診断技術の進歩等がその理由として考えられた.また,sIL-2Rは活性化Tリンパ球を反映するとされ,サルコイドーシスの疾患活動性と相関するとされる.前述の162例中,診断後にステロイドを導入されていない115例を対象にACEおよびsIL-2Rの経時的変化と自然予後との関係を検討したところ,sIL-2Rの変化率(ΔsIL-2R)が自然予後と相関していた.本検討ではΔsIL-2Rは有用な予後予測因子となることが示唆された.