抄録
多発関節炎,結節性紅斑,両側肺門リンパ節腫脹(BHL)を3主徴とする急性型サルコイドーシスの1型であるLöfgren症候群を2例経験した.症例1は42歳のペルー人女性であり,3ヵ月続く両足関節痛と下腿の有痛性紅斑を認めた.胸部X線写真で著明なBHLと両側肺野のびまん性間質性陰影を認めた.肺生検で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を,下腿皮膚生検で無菌性脂肪織炎を確認した.プレドニゾロン30 mg/日の投与により速やかに症状が改善し経過も良好であった.症例2は32歳の日本人男性であり,38℃の発熱と両アキレス腱痛と多発関節痛を認めた.胸部X線写真で著明なBHLと両側肺野のびまん性間質性陰影と下腿の結節性紅斑を認めた.皮膚生検では非特異的炎症所見であったが,ACE 36.8 IU/Lと高値であり急性型サルコイドーシスと臨床診断した.プレドニゾロン40 mg/日を投与後速やかに改善した.その後3年間再発せずLöfgren症候群と診断した.本症はサルコイドーシスの亜型として日本人には非常に稀な疾患であるが,文献上欧米例と比較して発熱例やⅡ期症例が多く,副腎皮質ステロイドホルモン薬(ステロイド)治療を余儀なくされる症例が多かった.