日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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会長講演
症例から学ぶサルコイドーシスの治療
山口 哲生
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2014 年 34 巻 1 号 p. 7-10

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抄録

サルコイドーシス治療において,抗菌薬,免疫抑制剤,吸入ステロイド薬は,各々有効率は低いものの明らかに有効な例が存在することは確かである.抗菌薬の中ではドキシサイクリンが最も使いやすく,隆起性の皮膚病変や筋肉病変などに有効性が高いが肺野病変やBHLにはほぼ無効である.メトトレキサートは単剤治療でも肺野病変やBHLにも有効な例がある.フルチカゾンの吸入は末梢型肺野病変例には無効であるが中枢型病変例では有効例がある.経口ステロイド治療では症例に応じて少量ステロイド,十分量ステロイド治療を使い分ける.本症の全身症状は,不定愁訴と考えずに本症特有の治療の対象となる病変と考えるべきであり,ステロイド薬や抗菌薬が有効な例がある.

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© 2014 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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