2019 年 39 巻 1_2 号 p. 55-58
心臓サルコイドーシスの活動性病変評価には,67Gaシンチグラフィーおよび18F-FDG PET(fluorodeoxyglucose positron emission computed tomography)がある.67Gaシンチグラフィーはその集積機序ははっきりと解明されておらず,感度が低く,18F-FDG PETは心筋への生理的集積や不全心筋への集積(偽陽性)がある.我々は心筋には発現せずにマクロファージに発現しているソマトスタチン受容体に注目し,ソマトスタチン受容体シンチグラフィー(SRS: somatostatin receptor scintigraphy)が活動性炎症(急性期)を画像化できるかを検討した.対象はSRS,18F-FDG PET,心臓MRI,心臓超音波検査を施行した心臓サルコイドーシスの4症例で心臓MRI検査(T2-BB: T2 weighted black bloodもしくは遅延造影)にて20病変が検出された(Table 1).20病変中11病変でSRS,18F-FDG PETともに集積を認め,そのうち8病変でT2-BBで高信号を認めたことからも,同部位は急性期の活動性病変と考えられた.SRSは心臓サルコイドーシスの活動性病変評価に有用な可能性がある.