日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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原著
心臓サルコイドーシス診療におけるFDG-PET/CTの有用性・限界とMRIとの比較
河合 秀樹 皿井 正義加藤 靖周成瀬 寛之渡邉 あゆみ松山 貴裕森本 紳一郎外山 宏尾崎 行男
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2019 年 39 巻 1_2 号 p. 59-64

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抄録

我々は心臓サルコイドーシス疑いの74例において,「2016年版心臓サルコイドーシスの診療ガイドライン」における組織診断・臨床診断を真として,FDG-PET/CTの診断精度を検討した.さらにFDG-PET/CTと同時期に心臓造影MRIを施行した33例において,ガドリニウム造影剤を用いた遅延造影(LGE)所見を検討した.全74例中31例が本症の診断基準を満たし,38例が診断基準を満たさず,残り5例は心限局性サ症の疑診例であった.診断基準を満たした31例を真とすると,FDGPET/CTによる感度,特異度,正診率,陽性的中率,陰性的中率は,それぞれ90%,87%,88%,85%,92%であった.心臓造影MRIを同時期に施行した33例において,FDG-PET/CT陽性の20例中16例でLGE陽性,FDG-PET/CT陰性の13例中8例でLGE陽性であった.心サ症疑い患者におけるFDG-PET/CTの診断精度は非常に良好であった.さらに心臓MRIの遅延造影所見を加えることは,本症の活動性や線維化の診断に有用であった.

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© 2019 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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