2019 年 39 巻 1_2 号 p. 97-101
症例は74歳,女性.多発する皮膚紅斑を主訴に当院皮膚科を受診した.皮膚生検でラングハンス巨細胞を伴う非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め,サルコイドーシスと診断された.その後,胸部X線にて右肺門リンパ節腫脹および右中肺野の結節影を指摘されたため,当科紹介となった.肺結節からの経気管支肺生検では,非乾酪性類上皮細胞肉芽腫のみで悪性所見は検出されなかったが,fluorodeoxyglucose-positron emission tomographyを含めた画像診断で, 原発性肺癌c-T2aN1M0Stage ⅡAの合併が疑われたため,胸腔鏡下右下葉切除術を行った.術中,胸膜に多発する白色結節を認めた.術後病理所見では,肺内に乳頭腺癌と非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の混在を認め,胸膜結節も非乾酪性類上皮細胞肉芽腫であった.右肺門リンパ節に加えて縦隔リンパ節にも転移を認めた.サルコイドーシス患者に肺癌を合併した場合,診断確定に苦慮することが少なくない.本症例は教訓的な症例と考えられたため,文献的考察を加えて報告する.