日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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総説
サルコイドーシスの歴史的背景,全身疾患としての病理像の多様性
武村 民子
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2021 年 41 巻 1_2 号 p. 19-31

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抄録

サルコイドーシスは全身諸臓器に類上皮細胞肉芽腫を形成する疾患であり,現在ヒトの常在菌である Propionibacterium acnes( P. acnes)による内因性感染症としての可能性が考えられている.サルコイドーシス肺では肉芽腫は特にリンパ管沿いの広義間質に沿って分布し,肉芽腫性血管炎の頻度が高い.肉芽腫の多くは自然退縮するが,その存在部位によって多様な線維化を来す.細気管支を中心とする星芒状線維化,気管支・血管束沿いの線維化,小葉間隔壁や細気管支に沿っての帯状線維化の頻度が高い.肺以外の全身諸臓器,特に心臓では肉芽腫と共にその線維化は機能障害の点からも重要な所見である.脳神経系,肝臓,脾臓,消化管,眼科領域,筋肉,皮膚,骨,関節など全身の諸臓器病変は各臓器の機能障害の観点からも治療対象になる,一方,サルコイドーシスでは肉芽腫以外に電子顕微鏡的に微小血管内皮細胞の傷害と基底膜の多層化を特徴とするミクロアンギオパチーが観察されている.サルコイドーシスにおいては肉芽腫とミクロアンギパチーという 2つの異なる病態がみられ,その相互の関連性を明らかにすることは,今後に残された課題の 1つである.

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© 2021 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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